Q:家賃をどんどん値上げして利回り高めたいです。値上げに応じない賃借人は退去してもらいます。できますよね?
A:申し訳ありませんが、家賃の値上げと賃借人の退去について、法律上の制限があり、ご希望通りに進めることは困難です。
家賃値上げの制限
家賃の値上げには以下の条件が必要です:
正当な理由としては、固定資産税や物件の維持費の増加、経済事情の変動、近隣相場家賃よりかなり低い、などが挙げられます。しかし、単に「利回りを高めたい」という理由だけでは不十分です。
賃借人の同意
最も重要なのは、賃借人の同意が不可欠だということです。一方的な値上げは無効となり、強制することはできません。
値上げに応じない賃借人への対応
値上げに応じない賃借人を強制的に退去させることはできません。そのような行為は違法であり、やり方によっては損害賃償責任や刑事罰の対象となる可能性があります。
法的手続き
賃借人が値上げに同意しない場合、以下の手順を踏む必要があります:
ただし、これらの手続きには時間とコストがかかり、賃貸関係を悪化させる可能性があります。
結論
家賃の値上げは可能ですが、法律に基づいた正当な理由と手順が必要です。賃借人の同意なしに一方的に値上げしたり、退去を強制したりすることはできません。長期的な賃貸経営の観点からは、急激な値上げや強引な退去要求は避け、賃借人との良好な関係を維持しながら、適切な範囲内で段階的に家賃を調整していくことが望ましいでしょう。または、今の賃借人が退去してから、次の賃貸募集の際に家賃を上げるようにしましょう。